元広島カープの木村昇吾が日本代表に選ばれた【クリケット】とは?

元広島カープの木村昇吾が日本代表に選ばれた【クリケット】とは?

皆さんは「クリケット」というスポーツををご存知ですか? フィールド上1チーム11名の2チームによって、半径70メートルほどの広大なフィールドで行われるバットとボールを用いるスポーツです。バットとボールと言えば、野球を想像される方が多いと思いますが、クリケットも世界的には人気なスポーツの一つで、2007年のクリケットワールドカップでは、世界200ヶ国で放送され、場内の観客者数は67万2000人、視聴者数は22億人に達したそうです。

■クリケットの認知度は?

そんなクリケットについて、どのぐらい認知度があるのでしょうか?ポイントサイト「Potora」でアンケートをしたところ、以下の結果となりました。

・クリケットを知っている 19,308票(投票率68%)
・クリケットを知らない    8,718票(投票率32%)

皆さんの感想はいかがでしたか? 案外知っている方が多い印象ですが、「名前は聞いたことがあるけれど、具体的にどんなスポーツかルールがわからない」という人が多いのではないでしょうか。
それもそのはず、日本クリケット協会に登録されている2016年現在のデータでは、国内のすべてのチームの選手をあわせても競技人口は3,000人に届きません。学校の部活動でもほとんど見かけることはありませんよね。

しかし世界で見ますと、クリケットの場合一説にはバスケットボール(約5億人)、サッカー(約3億人)に次いで3位(約1億5千万人)の競技人口といわれています。プロリーグが存在するインドでは、年俸300万ドル(約3億3,000万円)の選手もいるそうです。

まるで日本のプロ野球選手並みの給料じゃないか?と思われた方もいるでしょう。クリケット自体、野球の原型ともいわれたイギリス発祥のスポーツなので、野球選手ならいかにも活躍できそうですね。

そんなクリケットに今、元プロ野球選手が挑んでいることをご存じでしょうか。名前を木村昇吾さんといいます。

■世界に挑む、元カープ戦士はどんな人?

木村昇吾さんは1980年(昭和55年)生まれ。現・中日ドラゴンズの松坂大輔投手と同学年で、いわゆる「松坂世代」の一人です。小学校1年生の頃から野球を始め、高校は香川の尽誠学園に進み甲子園にも出場しました。愛知学院大学進学後も野球を続け、2002年のプロ野球ドラフト会議で、横浜ベイスターズに11順目で指名されました。

横浜ベイスターズ時代は1軍での出場機会にはあまり恵まれませんでしたが、2008年にトレードで広島東洋カープに移籍すると才能が開花します。元来の足の速さや、内外野どこでも守れるユーティリティープレーヤーぶりを発揮し、代走での起用や内外野の守備固めなど、主に試合終盤を任されるスペシャリストとして重要な働きをするようになりました。

2011年には自己最多の106試合に出場。故障した選手に代わってショートのレギュラーとして活躍しました。その後も貴重なバイプレーヤーとして出場を続け、2016年にFA(フリーエージェント)制度を利用し埼玉西武ライオンズへ移籍。しかしここからは順風満帆とはいかず、右膝の靱帯断裂などの故障もあり、ほとんど1軍での出場機会の無いまま2017年のシーズンオフに戦力外通告を受けてしまいます。

引退の危機に陥った木村昇吾さんに、ここで転機が訪れます。戦力外通告後にトライアウト(プロ野球の入団テスト)を受験しましたが合格せず、今後の進路を決めかねていた所へ身体能力の高さを評価していた日本のクリケット関係者に、クリケットへの転身を勧められます。野球を引退し転身を決意した木村昇吾さんは、インドのクリケットプロリーグへ参戦することを目標にトレーニングを始めました。日本のプロ野球でのプレーを経験した日本人がクリケット選手に転向した事例は、木村さんが初めてとなります。

木村昇吾さんの挑戦は話題となり、今年7月にはテレビのドキュメンタリー番組にも奥さんのあずささんや子供達家族と一緒に出演しました。こちらはその番組宣伝動画ですが、ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そして現在8月には、なんと早くもクリケット日本代表に選ばれました。これは9月に香港で行われる東アジアカップに出場する代表選手団で、木村省吾さんもその中の栄えある14名の一員となりました。やはり元プロ野球選手の技術はダテではなく、打撃でも守備でもあらゆる面で能力が突出しているとの評価だそうです。

しかしそれは競技人口が3,000人にも満たない日本国内でのお話。目標のインド・プロリーグへ参戦した日本人は未だかつておらず、まだまだ乗り越えるべきハードルがあるものと思います。ちなみに木村省吾さんのプロ野球選手時代の最高年俸は推定4,100万円(2015年)ですので、クリケットでは1億円プレーヤーになれるよう、頑張ってほしいものですね。

最後にこちらは日本クリケット協会が作成したYoutube動画。使用される道具やルールなどが簡単にまとまっていますので必見です!